TRPGやゲームやライトノベルをきっかけに注目を集め、 その独特の世界観が人気を呼んでいる「クトゥルフ神話」。
初心者にもわかりやすくクトゥルフ神話の成り立ちや世界観、登場する神々を解説します!!
クトゥルフ神話の成り立ち
さてコービットさんは、「神話」というと何を思い浮かべますか?
そりゃ、ギリシャ神話や北欧神話あたりだな。日本神話なんかもあるな!
神話とは一般に、古くから人々の間に語り継がれている、神々を中心とした物語です。
また、宇宙・人間・文化の起源などを超自然的存在の関与の結果として基礎づけ、説明した物語でもあります。
クトゥルフ神話はそういった神話の特徴を備えつつも、その歴史は実は新しいです。
クトゥルフ神話は、20世紀前半にハワード・フィリップス・ラヴクラフトを中心としたアメリカの怪奇作家たちによって創造されました。
彼らは、自らが創造した架空の神々や地名や魔術書等の名称(ワード)を、互いに貸し借りすることによって物語を作り上げ、やがてそれがクトゥルフ神話と呼ばれるようになりました。
現代で言う二次創作のような事が、20世紀前半のアメリカで起きていたんですね!
まぁ、他の伝統的な神話もそうやって出来上がっていったのかもな。
二次創作との大きな違いは、神話の世界観やワードが作家達の間で共有され、その結果新しい作品が生まれ、更にその作品がオリジナルの神話に取り込まれて、神話世界が有機的に広がっていく点です。
つまり二次創作ではオリジナル作品と二次創作作品が区別されているのに対し、クトゥルフ神話ではその世界観やワードが共有された二次創作も全てクトゥルフ神話の一部となのです。
このシェアード・ワールドと呼ばれるスタイルは、クトゥルフ神話の非常にユニークな特徴です。
クトゥルフ神話を作り上げた作家としては、ラヴクラフトの他に、クラーク・アシュトン・スミス、ロバート・ブロック、ロバート・E・ハワード、オーガスト・ダーレス達がいます。
クトゥルフ神話の世界観
では次に、クトゥルフ神話とはどういった世界観の物語なのでしょうか?
クトゥルフ神話を一言で言うと「人類が誕生する遥か以前に地球を支配していた、宇宙から飛来した未知の邪悪な神々にまつわる暗黒の神話体系」となります。
そしてその物語の根底にあるのが、クトゥルフ神話の恐怖に対する考え方です。
クトゥルフ神話を生み出したラブクラフトの言葉に以下のようなものがあります。
「人類の最も古く強烈な感情は恐怖であり、恐怖の中で最も強烈な物は未知なるものの恐怖である」
H・P・ラヴクラフト
この言葉の示す通り、そういった人間の理解が及ばない未知との相対から生じる恐怖や孤独感、すなわち「コズミック・ホラー」がクトゥルフ神話の根底にある一つの大きなコンセプトです。
クトゥルフ神話をゲーム化したクトゥルフ神話TRPGでは、この恐怖を数値化したものとして正気度(SAN値)という概念が存在し、正気度を失うと発狂してしまうなど、未知との遭遇による恐怖を体験できるようにゲームデザインされています。
このクトゥルフ神話TRPGについては話すと長くなりますので、また別の機会にお話させて頂きますね。
そんときゃ、俺も呼んでくれ!
手取り足取り、詳しく教えてやるぜ!
コービットさんはクトゥルフ神話TRPGの先生みたいなものですからね~!
クトゥルフ神話の神々
クトゥルフ神話に登場する異形の神々の分類には諸説ありますが、クトゥルフ神話TRPG等で使われている「旧支配者」「外なる神」「旧神」の分類についてご紹介します。
旧支配者
遥かな太古に宇宙のどこかで誕生したとされる神々。外なる神には及ばないものの、性質はおしなべて邪悪であり、人類にとっては計り知れない脅威となります。
主な神々は以下の通りです。
クトゥルフ
古代都市ルルイエで邪悪な夢を見る旧支配者筆頭
ハスター
風の属性を持つ邪悪の皇太子
クトゥグア
地球から25光年離れたフォーマルハウトに住む炎の化身
外なる神
「旧支配者」のなかで、特に力ある者たちは「外なる神」と呼ばれます。ここに属する神々は宇宙の起源から存在し、物理的肉体を持たない超自然生命体、あるいは宇宙のエナジーそのものだと考えられています。
主な神々は以下の通りです。
アザトース
宇宙の始まりと終わりである超越的存在、外宇宙の深奥で冒涜的な言葉を吐き続ける魔王
ヨグ=ソトース
銀の鍵の開く窮極の門の奥に鎮座し、時空を超越した外なる神の副王
ニャルラトホテプ
魔王アザトースの意思を代行する強壮なる使者
旧神
「旧支配者」「外なる神」「旧神」の三つの神格のなかでもっとも謎めいた存在です。「旧支配者」と対立していることから、善なる神だとする説はありますが、その保証はどこにもありません。
主な神々は以下の通りです。
ノーデンス
大いなる深淵の大帝にして謎多き旧神たちを統べる最高神
クトゥルフ神話に登場する神々については、当サイトの別のページやYouTubeで詳しく紹介しているので、興味を持たれた方はぜひ見てくださいね!